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蛭子能収のうきうきギャンブラー人生

40年以上競艇をやってるのに…

 三国ボートで行われたオーシャンカップ(SGレース)の舟券を買うため、平和島競艇場へ。SGレースというのは6日間開催で4日目までが予選レースで5日目に得点の高い選手18名で準優勝戦が行われる。レースする人数は6名なので準優勝戦は3回行われることになる。そして準優勝戦で1着と2着になった2名が優勝戦へ。準優戦は3回なので計6名で優勝戦を斗うことになる。

 総勢約50名の選手が三国(福井県)に集まり、5日間闘い、6名が優勝戦に乗って来た。その強者は「1.石野貴之」「2.田中信一郎」「3.前田翔太」「4.川崎智幸」「5.太田和美」「6.菊地孝平」である。

 さて舟券をどう買おうか。枠番的に有利なのは「1.石野貴之」。競艇は「1」が絶対有利。スタートして横一線に並んだら「1」が一番早くターンマークに到達するからだ。
 しかも、この「1.石野」のモーターは絶好調。他の選手は皆「石野のモーターには敵わない」と口を揃えて言う。「1」の一着率は80%あるかもしれない。強敵は「2.田中信一郎」「5.太田和美」か。しかもこの3名はすべて大阪出身なのである。「1-2-5」「1-5-2」の舟券で堅そうだ。
 で、大阪出身だから3人で決まるかというとそうでもないしなー。大阪出身じゃない「3.前田翔太」「4.川崎智幸」「6.菊地孝平」もモーター出てるしチャンスはある筈だ。

 私は、まず大阪出身のボックス券、「1-2-5」を4千円ずつ買って2万4千円使う。さらに「1.石野」の頭を固定して「25」の2、3着を2千円ずつ。これで2万8千円。それから石野の頭で大阪以外の出身者、「3.前田翔太」「4.川崎智幸」「6.菊地孝平」の2、3着、計2千円ずつの1万2千円。
 もしかしてレースがもつれて「3」「4」「6」の誰かが1着にやって来たらドデカイ配当になるので「1346」の4点ボックスを千円ずつ、計2万4千円。総計8万8千円の買いだ。

 そしてオーシャンカップの優勝戦が始まった。場内から歓声が上がる。「スタート!」…ああ、やはりインの石野は強い! クルリと回ってもう一着を走っている。
 2番手で追うのは「2.田中信一郎」、そして「4.川崎智幸」。結局、最後まで着は変わらず「1-2-4」で決定した…990円の配当だった。
 あれだけの点数を買っていた私だが、この「1-2-4」は持ってない…完全にハズレで、8万円が消えてしまった。
 
 実は三国のオーシャンカップは昨日も負けていて2日間で30万のマイナス。もう40年以上競艇をやっているが、なかなか勝つのは難しい。でも面白い! 競艇は面白い!!
 私は今年68才になる。完全にジジィである。仕事もそんなに続かないだろう。仕事が無くなれば、こんなにお金は使えない。だから競艇に来たら必ず、いくばくかのお金は勝つようにしなければならないのだ。修業はもうおしまい!! 必ず勝てる必勝法を見つけなければ……。

 

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著者略歴

  1. 蛭子能収

    1947年長崎生まれ。漫画家、俳優。看板店、ちりがみ交換、ダスキン配達などの職業を経て33歳で漫画家に。その後TVにも出演。現在「蛭子コレクション」全21冊のうち7冊発売中。ギャンブル(特に競艇)大好き。カレーライス、ラーメンなど大好き。魚介類や納豆は苦手。現在、タレント、俳優、漫画家、エッセイストと多ジャンルで活躍中。

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