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蛭子能収のうきうきギャンブラー人生

データの重要性

 最近、割とボサっと過ごしていて世間で一体何が起きているのかもわからない感じになっている。映画も観てないし本も読んでいない。ちょっと前のニュースでは「京都アニメーション」で、30名以上の人が殺され、こんなひどい話があるのかと殺した人の神経を大いに疑ったものだ。殺された人はこの世にやっと来て他の人より年齢が半分にも達することなく殺されてしまった。こういうのは絶対にあってはいけないのだ。人間を殺してやろうなんて考えが間違っている。中には本当にやっかいな性格で「お前なんて死んでしまえ」と思う人がいたとしても絶対に殺してはいけないのである。せっかくこの世に生まれてきて50年以上の間、そんな人と話をしなければならないのなら、とにかくイヤな感じの人であろうがなかろうが、一緒に過ごさなければならないともう心に決めていた方がいい。
 その人とおしゃべりしなければならないことをユウウツに思わないで、仕事と思って話をする。とにかく言い争いもしない。相手の言うことを「はい、はい」と聞いていけば、その人と争うこともなく一日は終わる。私は、そんな感じで60年を生きてきた。「ただどうしてもこれだけは言っておきたい」と相手に対して意見したい時は、とにかく優しくにっこり笑って「エビス君、それじゃだめだよ」なんて風に注意した方がいいと思う。


 さて、私は久しぶりに平和島でボートレースをした。久しぶりなので舟券も真剣に考えて買った。ここのところ割と適当に舟券を買って外れてばっかりだったので、買い方をちゃんと考えるべきだと反省していた。舟券を買う前にデータをきちんと考えるべきなのだ。
 第一は6人の選手の一周何分で走るのか?のデータを取る。きちんと出走表に書くことだ。
 それから一周のタイムである。走る選手6人の一周タイムが本番レースの前に発表される。このデータは選手が良いモーターで走るのか分かるので絶対にレース前に見るべきだ。レース本番前に発表される選手一人ひとりの展示タイムが発表される。これがさっき行ったレース前に見るべき重要なデータなのである。

 その6人の選手の展示タイムのデータは必ず出走表か持ってきた雑誌に赤エンピツでちゃんと書いておかねばならない。これが予想の仕事であり勝負で勝つ理由でもある。ちょっとの勉強が大きな利益を生むのだ。
「データを毎レースきちんと取って6人の選手の勝ち負けを予想する」
 こういうことが大事だと思って舟券を買ったらなんとその次のレースで見事に1着2着3着を当ててしまったではないか。勉強した後の勝利って本当に気持ちがいいものだ。

 

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著者略歴

  1. 蛭子能収

    1947年長崎生まれ。漫画家、俳優。看板店、ちりがみ交換、ダスキン配達などの職業を経て33歳で漫画家に。その後TVにも出演。現在「蛭子コレクション」全21冊のうち7冊発売中。ギャンブル(特に競艇)大好き。カレーライス、ラーメンなど大好き。魚介類や納豆は苦手。現在、タレント、俳優、漫画家、エッセイストと多ジャンルで活躍中。

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