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蛭子能収のうきうきギャンブラー人生

ボートレース人気の秘密

 うきうきギャンブラーというこのタイトル、うきうきしててギャンブルに勝つ気あるのか?と思わせるが、本当に最近負けてばっかりである。資金がなくなると女房から貰わねばならず、その時は大変だ。負けたとは言いづらく、小遣いが無くなったと言うのみだが、「3日前に渡した3万円はどうしたのよ!」と言われるとアタフタしてしまう。
 ギャンブルというのは、やった結果勝っているならば「おほん、今日はギャンブルで勝ったぜ」と告白しやすいのだが、負けていると言いづらいものだ。
 必勝法はないものか研究をしているが「コレ」というものはない。

 私がやるギャンブルは競艇のみだが、この競艇って当たりそうでなかなか当たらない。
 たった6人でしかレースをしないので、この中から1着と2着を当てるのはすごく簡単なように思えるが、なかなか当たらないのである。ボートレースのワナではないかと思いたくなる。たった6人の内、一番有利な枠は一号機。この一号機がインを取って逃げ切るというのが一番多いので連番で「1」「2」を毎レース買っておけばよいものの、自分で勝手にレースを難しく考え、おかしなレースを想像して配当の高い番号を買ってしまい、「負け!!」という結果になるのがほとんどなのだ。
 自分は競艇のプロである、と自称する人は時にたった6人のレースをアレやコレやと考えすぎて自滅してしまう。
 ほとんどのレースは「1」の一着、「2」「3」「4」の二着、時々「5」「6」の二着である。
 だから買う目は「123」「124」「132」「134」「142」「143」の6点でよい。

 しかし、これらの出目はほとんど本命なので、これらの出目で決着した場合、配当金が安い。たとえば「123」と来て、配当金が600円の場合、使うお金も600円なので当たってもトントンにしかならないのだ。
 それで長くボートレースをやってきた者としては、少しでも配当金の高い選手を狙って買ったりしてるのだが…。
 ボートレースの面白いところは、観客が予想しやすいように本勝負の前に6人の選手が全速でコースを一周してくれる(選手たちが一周何分で回ったかを教えてくれるのだ)。もうひとつ「スタート展示」というのがあって、本番と同じように戦う6人の選手がどのコースからどのくらいのタイミングでスタートラインを切れるかを観客に見せてくれるのである。本番レースの前に、スタート展示とコース一周を全速で走ってくれるというこの2つの本番前練習は、舟券の予想に非常に役に立っている。それが競艇のレースを面白くしている要素でもあるのだ。
 この要素がある限りボートレースはずっとお客が入り続けるであろう。

 

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著者略歴

  1. 蛭子能収

    1947年長崎生まれ。漫画家、俳優。看板店、ちりがみ交換、ダスキン配達などの職業を経て33歳で漫画家に。その後TVにも出演。現在「蛭子コレクション」全21冊のうち7冊発売中。ギャンブル(特に競艇)大好き。カレーライス、ラーメンなど大好き。魚介類や納豆は苦手。現在、タレント、俳優、漫画家、エッセイストと多ジャンルで活躍中。

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