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ゲッツ板谷のスケルトン忠臣蔵

えっ、不具合4割!?

 そう、先日TVを観ていたら、レーシック手術に関するニュースが流れていた。そして、その手術結果が良好かどうか、実際に手術を受けた人たちにアンケートを取ったところ、ナント、全体の4割の人間が不具合があると答えたというのだ。
 つーか、それでよく暴動が起こらねえなぁ……と思うよ。4割っていったら、5人に2人がレーシック手術の結果に納得してないってことだぞ。しかも、ホクロを取るような手術ではなく、視力の手術っていったら、その後の一生を左右する、いわば失敗の利かない手術なのだ。
 いや、言われなくてもわかってる。こういうアンケートを受ける奴らっていうのは、すこしでも思った通りにいかないと、すぐに不具合の方にマルを付けるのだ。だから“4割”というバカげた数字が出てくるのである。
 しかも、である。そういう不具合だったと言う奴らは、なら何でそんな簡単に視力回復の手術なんか受けちゃったんだよ? つーか、オレの周りにも目が悪い奴がホントに多い。で、極端に度の強い眼鏡をかけたりコンタクトをしたりして、その視力の悪さをなんとか補っているのだが、レーシック手術を受けた人物はほとんどいない。何で受けないのか理由を訊くと、大抵こんな答えが返ってくる。

「いや、普通のレーシック手術の安全性は、もうその手術が広まってから10年近く経つから、そんなに心配はないと思うけどさ。問題は、老眼とかのレーシック手術だよ。それに対しては、まだ充分な結果も出てないし、目の手術だから、やるとしてももう少し信頼できる結果が出てからじゃないと嫌だよ」

 そうなのだ。オレの周りで慎重に構えてるのは、レーシックの20~50万円ぐらいの料金などはほとんど痛いと感じない、東大出身とかの編集者が多いのだ。で、逆にそのレーシック手術を簡単に受けた上に、視界が更にボヤけ始めたとか、白み出したとか、言ってる人に限って、平均より安い料金の病院に行った奴が結構多いのだ。

 ま、こんなことを言ってるオレも今、レーシック手術をやろうかどうしようか割と真剣に迷ってるのだが、とにかくやったことがないから正直、その安全性は全くわからない。しかし、やるとなったら、料金は必要以上にケチっちゃいけないと思う。
 というのも今から4年前、もう歯がボロボロだったオレは、インプラント手術を受けることにした。何たって、まともに使える歯が3本しかなかったのである。
 で、いろいろインプラント手術のことを調べていると、平均するとインプラントの歯は1本35万円前後かかるということだったが、九州の方には1本を10万円で、しかも、10数本をインプラントするのにわずか5~6日ぐらいでやってくれる歯科医院があるという。つーことは、オレの場合、約20本の歯をインプラントにしようと思っていたから、本来なら700万円かかる手術料が200万円で済み、しかも、たったの5~6日で自分の歯が信じられないようにキレイになるというのだ。
 いや、正直オレは悩んだよ。が、さらに調べてみると、インプラント料が1本10~15万円の歯科の治療では、歯を口の中の骨にネジリ込んでもスグに取れてしまった……といった事件が多発してることが判明。で、よくよく考えた結果、オレは友達の紹介で地元の割と大きな歯科医院に通うことになった。
 で、その結果、20本の歯をインプラントにし(つまり、歯の奥の骨に入れ歯を金属製のネジで固定する方法ね)、費用は全部で500万円、期間は週一回の治療でナント2年半もかかったのである。そして現在、そのインプラントの歯はどうなっているかというと、既に手術を終えて1年半が経っているというのに、どの歯もまったくグラつきもなく、非常に快適に美味しい食事を満喫できている。ま、高級車を買うのはしばらく諦めたけどね(笑)。

 ま、こんな大ざっぱなボキでも、歯の治療にはこんだけ慎重になって食道楽という趣味を死守したんだから、ましてやこれからレーシック手術をやろうって輩は、ホントにイイ病院を調べまくって、絶対にケチらない、正規の料金で治療して欲しい!

 って、そんなの大きなお世話だよな(笑)。

 


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著者略歴

  1. 板谷宏一

    1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は「板谷バカ三代」「ワルボロ」「妄想シャーマンタンク」など多数。2006年に脳出血を患うも、その後、奇跡的に復帰。現在の趣味は、飼い犬を時々泣きながら怒ることと、女の鼻の穴を舐め ること。近親者には「あの脳出血の時に死ねばよかったのに」とよく言われます。

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