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ゲッツ板谷のスケルトン忠臣蔵

帰ってきた日常

 先日、ウチの物置き部屋から昔のビデオテープが何本か出てきてさ。
 その中の1本にオレが隠し撮ったケンちゃん(親父)とバアさんの口ゲンカが収録されてて、それが面白かったから某誌でのコラムでそれを再現したんだけど、その後、残りのテープも観てたら、またしてもケンちゃんとバアさんが口ゲンカしてる場面が出てきてね。しかも、その中盤から弟のセージも加わって、またしても面白い展開になってるんスよ。つーことで、今回は、がははははははははっ!! ソレを再現します。はい、スターート!!

ケンちゃん(以下、ケ)「だからなっ、そんなことでブツクサ言うなら、そんなに餅を次々と揚げて出してくんなよっ。俺は餅の揚げたのは大好物なんだから、出されりゃ何個でも食っちまうんだよっ!」
バアさん(以下、バ)「だからって、60を過ぎてるのに1度に20個なんて食べるオヘンナシはいないよぉ~」
「だきゃらなっ、そんなに息子の健康が心配なら、途中で餅を揚げるのを止めりゃあいいじゃねえか!」
「お前が、もっともっと揚げろって言うだろうがよぉ~!」
「俺の言うことなら何でも聞くのかよっ。じゃあ、ウチの水道からパイナップルジュースが出るようにしろよっ、クソババアが!!」
「あ~あ~、またババアの前にクソをつけちまうのかよぉ~。おジイさんがそこの柱の影からお前を睨んでるよぉ~」
「ジイさんは、もう5年も前に死んでんだよっ。ウソばっか言ってんじゃねえっ、バカババアが!!」
「あ~あ~、やっぱり今度はバカが付いちまうのかよぉ~。息子を60年以上育てるとバカになっちまうのかよぉ~」
「もういいっ。もう餅は要らないっ!」
「20個も食い散らかしてんだから当たり前だよぉ~」
「だからなっ、このクソババアあああああっ!!」

セージ(以下、セ)「なに家ん中で怒鳴ってんだよ?」
「ケンジがアタシに死ねって言うんだよぉ~。怖いよぉ~、まるで板谷家の帝銀事件だよぉ~」
「でたらめ言うなっ、ウソつきババア!!」
「てか、親父は何でバアちゃんにそんなに怒ってんの?」
「いや、もっ……餅をな、1度に20個食ったら急に文句を言ってくるからよっ」
「てか、そりゃ文句言うよ、20個なんて食うバカいないもん。しかも、アンタは糖尿病にもかかってんだから、そんなに食ったら下手すりゃ死んじまうぜ」
「バカ野郎、俺は糖尿ヘラクレスなんだよ!」
「もういいよ、そういう無駄なハッタリは」
「ハッタリじゃねえよっ!! おメーもウチのクソババアと一緒にウソをついてんじゃねえよ!」
「ムキムキっていったって大したことないじゃん。この前、俺の友達のベッチョにも腕相撲で負けてたし(笑)」
「負けてねえよっ!! おメーもうちのクソババアと一緒にウソをついてんじゃねえよ!」
「あ~あ~、クソも2度目だと呆れて高尾から天狗が飛んでくるよぉ~」
「だきらっ、わけのわからないことを言うな、ババア!!」
「わけのわからないのはお前の方だよぉ~。あ~あ~、こんな子はおろしちまえばよかったなぁ~」
「おまっ! ……も、もう決めたっ! 俺は、この家を継がない!!」
「って、すっかり継いでるだろ。ぐはははははははっ! じゃあ、とっとと出てけよ、この家から」
「テメー、このガキっころが! 生意気言ってやがると石にすんぞっ、この野郎!!」
「アンデルセン童話かよっ! じゃあ、早く石にしてくれよっ。早くしてみいっ」
「セツブツレイカ○○□△××○△△×○ジャクシン(※何って言ってるのか殆どわかりません)」
「あ~あ~、火が通れば出来上がりかよぉ~」
「ぐははははははははははっ!! この2人、全然わけわかんねえっ。ぐははははははははははっ!!」


 テープはココで終わってたんだけど、ホントに板谷家ってバカの集まりって感じでしょ? ま、オレとしちゃあ懐かしかったけどね(笑)。

 

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著者略歴

  1. 板谷宏一

    1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は「板谷バカ三代」「ワルボロ」「妄想シャーマンタンク」など多数。2006年に脳出血を患うも、その後、奇跡的に復帰。現在の趣味は、飼い犬を時々泣きながら怒ることと、女の鼻の穴を舐め ること。近親者には「あの脳出血の時に死ねばよかったのに」とよく言われます。

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