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ゲッツ板谷のスケルトン忠臣蔵

オレの周りにいた奴らの口癖

 はい、今日は短いです。そう、昔、身内や友達なんかから、よく言われた言葉を紹介します。

①ケンちゃん(父親)
「卵が先か鶏が先か考えてみろ!」
 ケンちゃんを追い詰めると、必ず吐いてきた言葉。ちなみに調べたら、これはどっちが最初かよくわからない時に使う言葉だそうで、つまり、当のケンちゃんもまったく意味がわかってませんでした。

②オフクロ(母親)
「うるせーー、カもないくせに!」
 オフクロに 100回ぐらい言われた言葉。ちなみに、中学生になってオフクロよりカが強くなり、また、30半ばでお金もソコソコ稼げるようになり、さらに40になって人脈もそれなりに出来てきても、少しでも調子に乗ると迷わずこう怒鳴られてました。

③マイちゃん(親戚の叔母さん)
「こーちゃんはミートテックを着てるからね」
 オレが「え、寒くないよ」って言うと、その言葉にかぶせるように言われた文句。親戚じゃなかったら狩ってたぞ!

④ヤッコ(小・中学校の時の悪友)
「いきなりフルでいくぞ、フルで」
 ウチの地元でアタマを張ってた友達が、複数でケンカする時に仲間のオレに必ず吐いてた言葉。いや、コイツはホントに強かったです。

⑤ハッチャキ(専門学校の時からの友達)
「いや、旨いよ」
 コイツを誘ってメシを食いに行き、その食堂やレストランを出て「どうだった?」って尋ねると必ず返ってくる言葉。いや、ホントに100%この言葉が返ってきて、間違っても「いや、全然旨くない」とか「フツーかな」って言葉が返ってこないので、最近では何も尋ねなくなりました。

⑥コウヘイ(息子)
「無理!」
 どんなことを尋ねても、大抵返ってくるのがこの言葉。「今日は少し高い焼肉を食いに行くか?」「無理!」「一緒に日帰り温泉行くか?」「無理!」「西武ドーム行く?」「無理!」「お前、たまには台所をキレイにしろよ!」「無理!」ああ~~ん、もおおおおお~~~~っ!!

⑦イケちゃん(中学の時の友達)
「板谷くん、頑張れよ……。頑張れよ、板谷くん……」
 ハタチ前後の時、いつもドライブでオレが運転してると、助手席のイケちゃんがこうつぶやきながら右手でオレの太ももをさすってきた。別にホモというわけではなかったが、とにかく気持ち悪かった。

⑧キホ(30代の時の彼女)
「今日はオシリの穴はやらせないからね!」
 そう言われながらも、いつも絶対やってました(笑)

⑨キャーム(2年半前に他界した幼馴染)
「コーちゃん、バックレんべぇよ……」
 彼女がいないキャームのためにコンパを開いてやるも、必ず一次会の途中でオレの耳にこうささやいてきた。で、毎回「この女たちはオレの友達の○○が必死で集めてきたんだから、せめて一次会の終わりまでは普通にしてろよ!」と言うのだが、必ずキャームは男友達を何人か連れて帰ってしまうのである。……アイツ、あの世でもバックレてんのかなあ?(笑)

⑩セージ(実弟)
「誰、アイツ……?」
 セージの家でやってた忘年会に奴が初めて見るオレの友達とかがやって来ると、オレの耳元で厳しい顔をしながら、必ずそうささやいてくるセージ。が、オレが「仕事で仲良くなった友達だよ」と言ってソイツを呼ぶと、「あ、どぅもおおお~~~ん! 弟のセージです」って感じて、さっきまでの不快感はドコ吹く風で、満面の笑みを返す。要は、セージの心のスイッチには「警戒」と「安心」のボタンが1つずつしかなく、その間が空洞なんだろうな(笑)

⑪サイバラ(予備校時代からの旧友)
「板谷くん、人は死ぬからねぇ」
 ウチのオフクロ、オヤジ。そして、友達のキャームが死んだことを報告した際、必ずサイバラが言ってくる言葉。最初は(死んだことを報告してんのに、人は死ぬからねぇ……って言われても)とピンとこなかったが、そのうち「人間っていうのは基本は生まれた順に死ぬけど、その順番を無視することだって普通に起こるんだよ」ってなことを言ってるんじゃないかな、って思うようになってね。特にキャームが死んだ時なんかは「キャームくんは最後まで板谷くんが友達で幸せだったよ」って言った後に、「人は死ぬんだよ。だから残った人は、その人のぶんまで生きなきゃいけないんだよ」って続けてくれてね。“人は死ぬんだよ”って言葉、近頃では変な慰みでもいたわりでもなく、ホントにいい言葉だな~と思います。


今月はこんなところです、編集長!

 

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著者略歴

  1. 板谷宏一

    1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は「板谷バカ三代」「ワルボロ」「妄想シャーマンタンク」など多数。2006年に脳出血を患うも、その後、奇跡的に復帰。現在の趣味は、飼い犬を時々泣きながら怒ることと、女の鼻の穴を舐め ること。近親者には「あの脳出血の時に死ねばよかったのに」とよく言われます。

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