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ゲッツ板谷のスケルトン忠臣蔵

恥知らずなクソ女ども

 いゃあ~、先日久々に腹の立つことがあってね。
 その日、2年前ぐらいから友達になった、青梅市で寺カフェをやっているアポさんからLINEが入ってね。昨日、学生時代の女の後輩と立川で久々に飲んで、その時にたまたまオレの話が出たらしいんスよ。そしたら、その女の後輩がTwitterで自分も板谷さんのフォロワーになりたいから、自分のことも板谷さんにフォローしてもらえないだろうかってアポさんに頼んできたらしくてね。で、その翌日、そのことを伝えるためにアポさんからのLINEが入ったわけなんだけどさ。
 で、アポさんからのLINEには「かなりハードな人生を過去に送ってきた女性ですが、決して怪しい奴ではないので是非フォローしてあげて下さい」って書いてあってそこにはその女性のTwitter先まで書いてあってね。んで、何はともあれ、アポさんの友達だっていうから、オレも彼女をスグにフォローしたんスよ。したら、その晩にその彼女からDMが入ってね。「サイバラ酒場っていうのが今、新宿の歌舞伎町で期間限定でやってるみたいですが、板谷さんはそのお店には行かないんですか?」って書いてあったから「いや、オレは行く予定はありませんよ」って返したんスよ。そしたら「そうですか☻」って返答があって、その日のDMは終わってね。

 で、その翌日ですよ。また、その女性からDMがあってさ。それには概ね、次のような内容が書いてあったんスよ。
『急にこんなお願いをして良いのか戸惑いますが、今日思い立ったことなのですが、西原理恵子様にお会いしたいのです。私、現在、シングルマザーで大学受験を控えた娘1人を抱えております。西原様を通して、高須先生にお願いしたいことがあるのです。
 今、少し私は精神的に混乱していまして、文章や内容が唐突で支離滅裂かもしれません。藁をも掴む状態で御連絡致しました。
 あと、アポさんからゲッツ様を紹介していただいたのは、はじめから西原様にお会いしたいから、という理由ではありません。そういう経緯ではありません。失礼ですからね。西原様にお会いしたいというのは、今日思いついたことです』
 いや、もう口がアングリですよ。てか、何か言いたいのか、こんなにわかりやすい文章って久々に見ましたよ。で、オレは次のような一文を返したんですわ。
『てか、高須先生に会いたいんでしょ? そういう頼みは聞けません』
 で、その後、相手からは『スミマセン』とか『DMでは言葉足らずですが、どう説明してよいかわかりません』っていう返信があったんだけど、オレはタメ息を1つ吐いてから、その女のフォローはバチッと切って、返す刀でアポさんに電話を入れてさ。で、その女とのことの経緯を簡単に説明したら、もうアポさんが謝りまくってきたからね。オレは言ったんですよ。
「いや、オレはアポさんには何一つ腹を立ててませんよ。アポさんのいいところは、どんな個性的な人が相手でも(ま、アポさん自体がハンパない個性的なんだけどね)、ちゃんとその人が何をしたいのか、何を目指しているのかを正確に把握して、別の人にそのことをわかりやすく伝えて、その個性的な人に対しての偏見を無くせることじゃないですか。でも、アポさん、あの女の人は人間にとって1番大切なところが壊れてますよ。オレはあんな女のために、今までアポさんと会った大切な2年間を無駄にするのが嫌だから、今、こうして電話してるんです」

 ま、つーことで、オレは大切な人間関係を壊さずに済んだんだけどさ。そんでホッとしたついでに、反射的に今から5~6年ぐらい前の、あるメタメタ腹の立つことを思い出しちゃってね。せっかくだから、今からその事を書くね。
 その当時、オレはTwitterを始めて、まだ何年も経ってなかったから、オレをフォローしてくれた人に対しては殆ど無条件でフォローをし返してたんですわ。そんなある日、オレのTwitterアカウント宛にハンパなく馴れ馴れしい感じの文章が書いてあってね。
『いたっち、君は最近、うどんは食べに行かないのかな? 私の地元は中野で、そこには○○屋っていう美味しいうどん屋があるから、今度一緒に食べに行こうよ』
 多分、こんな感じだったと思うんだけどさ。てか、まずオレは、大して仲良くもない奴から「いたっち」って呼ばれるのが、とにかく嫌でね。しかも、○○屋っていううどん屋の名前が書いてあったけど、そのうどん屋って少し前に食べに行ったことがあるんだけど、ハンパなく不味くてさ。でも、でもね。その女の人のTwitterの自己紹介の欄を見たら、年はオレの確か4つ上。障害者施設で働いていて、障害者にピアノまで教えているって書いてあるんですわ。だから多少口は悪いけど、まぁ、それなりにはちゃんとした人だろうなと思ってたのよ。
 で、その後も週に1~2回のペースで、その馴れ馴れしい感じのツイートががあってね。しかも、その時ってオレのTwitterには高須先生からのツイートや「いいね」が割と飛んできててさ。んで、そのオバちゃんも間に入ってこようって感じで『ほら、いたっち。高須先生に心配をかけてるよ』なんてツイートしてきたんだけど、もちろんそんなツイートは無視してたわけですよ。そんで、そのオバちゃんのツイートがトータル7~8回ぐらいあった後、彼女からのツイートがピタリと止まってさ。オレとしたら殆どまともに相手もしてなかったから、さすがに彼女も気づいて離れてったんだろうなぁ~って思ってたんスよ。

 そしたらですよ……。そのオバちゃんから2カ月ぶりぐらいにツイートがあったと思ったら、オレにいきなりお礼を言ってきてさ。何だよ?と思って、その後のツイートを読んだら、つまりはこうですよ。先日、私はいたっちの友達ということで高須先生にDMを送りましたと。で、それには今、私が関わってる障害者施設の音楽会をやりたいんだけど、その広告を打ったり、会場を借りたりする費用が殆どありません。で、考えた末、それらの金額をいたっちの友達の高須先生に出資して頂けないか、と書いたらナント、高須先生から入金があってビックリ! いや、いたっち。どうもありがとう!ってなもんですよ。

 いや、オレはそのオバちゃんの浅ましさに暫く呆然としましたよ。Twitterで僅か7~8回ぐらい言葉を交わしただけでオレのことを自分の友達にし、それを利用して高須先生からお金を巻き上げてんだよっ。つーか、基本的にオレは高須先生の彼女サイバラの学生時代からの友達ってだけで、高須先生とは実際に会ったことだって今までに3~4回ぐらいしかないっつーーの!!
 いや、今現在は高須先生も更に有名になっちゃって、出資先も多岐に及んでるから逆にこんなインチキに乗ることも無いだろうけどさ。しかし、この時のオバちゃんは先日のアポさんの後輩と比べると、割と大胆な登場の仕方といい、オレとのTwitterでの会話が先細りになってるのを感じて、高須先生に直接DMするのは今しかないという、そのタイミングの取り方といい、かなりの手練れでしたな。




 しかし、食うことだけが趣味のオレにもこんな浅ましい女の投げ輪が時々だけど飛んでくるんだから、サイバラや高須先生に飛んできてる投げ輪の数っていうのはハンパじゃねえんだろうなぁ……。いや、同情します。

 

 

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著者略歴

  1. 板谷宏一

    1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は「板谷バカ三代」「ワルボロ」「妄想シャーマンタンク」など多数。2006年に脳出血を患うも、その後、奇跡的に復帰。現在の趣味は、飼い犬を時々泣きながら怒ることと、女の鼻の穴を舐め ること。近親者には「あの脳出血の時に死ねばよかったのに」とよく言われます。

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