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ゲッツ板谷のスケルトン忠臣蔵

野性が毎日爆発! オレの中2春~中3春 

 オレが今まで書いてきたコラムの中でも皆の印象に最も残っていると言われているのが、「ドイツ鯉の思い出」という、オレが中学3年の時に鯉を自分の尻の穴に突っ込んだ話らしい。 
 てか、今考えてみると、中2の春頃から中3の春ぐらいまでの1年間の出来事というのが、今、自分で思い起こしてもハンパない驚きと恥ずかしさが詰まってて、きっとこの時期にオレの人生はバキン!!と音をたててイケない方向に進み始めたんだと思う。つーことで、今回は今まで書いたエピソードに重なる部分もあるが、オレの中2春から中3春の間に実際に何が起こっていたのかを改めて詳しく紹介していこう。 
 
 中2になってからスグに、オレは自分の家で弟のセージとプロレスごっこをやっていて、奴から激しい電気アンマを股間に嫌というほど食らい、その際に初めて射精してしまった。が、その時のオレは勿論自分が弟にイカされたなんて思っておらず、とにかく急に小便がしたくなり、セージに、「タイム、タイム! お兄ちゃん、オシッコ!!」と言って電気アンマを止めさせた。そして、トイレに向かって走っているとセージも並走してきて、実際にパンツを脱いで小便を出そうとしたら、変な白いドロドロした液が既にパンツにゴッテリと付いていたのである。もちろんオレは焦りまくり、とにかくセージに「お兄ちゃんがホワイト病になったってことはお母さんに言うなよ!」と釘を刺すことで精一杯だった。 
 それから10日後ぐらいに、学校の試験勉強を深夜の家でやっている時に、たまたまTVをつけたら確か「11PM」という番組で作家の藤本義一の奥さんが出演していた。で、このオバちゃんというのが決して美人ではないのだが、何だかオレの股間をムズムズさせるような不思議な魅力を持っており、たまらず近くに敷いていた布団に股間をこすりつけていたら、またしても急に小便が出そうな感覚に襲われて慌ててトイレに行ってみたら、またしても白いドロドロした液がパンツにベットリついていたのだ。 
 
 そのうちそのホワイト病は、実はオレだけに与えられたボーナスのようなもので、キンタマ袋の中に入ってるその白い小便が無くなったら、もうその気持ちいいことは出来なくなると思って、射精を5回ぐらいしてからは、学校の理科室から盗んできたスポイトで出した精液をそれで吸い取って、それを自分の尿道に戻すという荒技を演じていたのである。そのせいでオレはアッという間に膀胱炎になり、今度は白い精液に赤い血が混ざってピンク色の小便が出るようになってオレは愕然。 
 そう、当時のオレは勉強ばかりをやっているド真面目でウブな少年だったので、オナニーも精液も、もちろんSEXのことなんかも全く知らなかったのである。それどころか当時、ウチのポットン便所の中に時々、大量の血がついたトイレの紙が落ちていて、まぁ、それはオフクロや妹が生理の処理をしたモノだったのだが、オレは家族の中に時々大量の鼻血を出す者がいると思って、夕食時などに家族に向かって「誰かは知らないけど、そんな定期的に鼻血が出るんなら医者に行って診てもらった方がいいよ」とか言っていたのだ。 
 その後、塾の友だちの1人に「その白いオシッコが出る行為っていうのはオナニーっていって、殆どの奴がやってるし、その白いオシッコは次々と体の中で作られるみたいだから無くならないよ」とだけ教えてもらい、安心したと同時に、その行為をオレの他の男友だちや自分の父親も時々やっているのか……なんて考えると大変複雑な心境になった。更に、以前出版したオレのコラム本にも書いてある通り、オレはそれから数ヵ月後の中2の夏休みに童貞を失った。そう、初体験をしたのだ。でも、その時のオレは今考えると自分でも可哀想で、夏休みに友だちの家に遊びに行ったら、急にその友だちの不良の兄貴と2人のズベ公が部屋に入ってきたのである。で、オレの友だちとその兄貴がスーパーに買い物に行ってる間に、オレはその2人のズベ公に犯されてしまったのだ。いきなり仰向けに寝ろと言われ、2人に交互に体の上に乗られて激しく腰を振られ、2人のうちの渡哲也が驚いたような顔の方の女の中に出してしまったのだ。が、その時のオレは勿論SEXをしたという自覚は全く無く、その女たちは変な癖を持った頭のオカしい奴らで、とにかく自分たちの股から出てくる変なヌルヌルした液をオレのチンコに擦り付けてくるトップクラス級の変態で、だから日本人のくせに金色の頭髪とかしてるのだろうと思った。そして、慌てて家に帰ると、自分の股間を石鹸で何度も何度も洗ったのだ。 
 
 中2の3学期に入ると、オレは1日に平均6回ぐらいオナニーをする男になっていた。が、まだ女にマ〇コというものがあることも、どうしたら子供が生まれるのかも全く知らなかったオレは、とにかく色気のあるクラスメイトの女やTVに出てくる好みの女性タレントなどとキスしたり、いやらしいポーズを取らせることを妄想したりしてイッていたのである。そんなことをしている内にオレの中にまた新しいスイッチのようなものが形成させるようになって、学校をサボってスッ裸で家の中を歩き回って喜んだり、また、その姿でインスタントラーメンを作り、わざと荒々しく麺をドンブリの中からすくい上げたりして、と、その時に必ず汁の滴が胸などに飛び、アチッ! となりながらも、それにとてつもない喜びを感じるようにもなっていた。 
 また、中学の女教師をモデルにして、エロイラストもハンパなく描いた。が、描いてる最中と完成して眺める最初の2分間ぐらいは興奮するのだが、それを過ぎると急に冷めてしまうのだ。で、せっかく描いたのに何かもったいないと思ったオレは、イラストの女教師をアウトラインに沿ってハサミで切り抜き、それをチンコに巻きつけるようになった。そして、一応気が済むと、それをダルマ型の石油ストーブの皿の上に置き、徐々に焦げていく様を見て、サディスティックな、それでいて少し切ないような興奮を満喫した。 
 と同時に、ロケにも出るようになった。ロケと言っても自分ちの庭なのだが、さすがにその時は全裸じゃマズいので服を着た。で、やることと言えば、物置の陰などの人目につかない場所、そこでウチの庭に侵入してくる猫をひたすら待つ。発見したら口笛を吹きながら(殆ど口笛は吹けないのだが)手招きをし、素早くしゃがみ込んでチンコの先にイチゴジャムを塗りつけるのである。が、野良猫がそんな代物を都合よく舐めてくれるはずもなく、1度として成功したためしは無かった。   

 中3になる前の春休みになると、オレの家内変態生活はさらにエスカレートして、女のようにオシッコがしてみたいと思うようになった。当時のオレは、女はオシッコを尻の穴から出していると思っていたのだ。で、風呂場に入ったオレは、水道の蛇口に取り付けてある長さ1メートルほどのゴムホース、その一端を尻の穴に突っ込み、恐る恐る蛇口をひねった。数秒後、ヒヤッとした水の冷たさが大腸の中に広がり始め、尻全体が風船のように膨張していくような感じがした。そして、オレは慌てて蛇口を締め、野球のキャッチャーのようにその場にしゃがみ込んだ。尻に力を入れた次の瞬間、腸内に入っていた水が勢いよく洗い場のタイルを打った。オレの心は完璧に“オシッコをしている女の子”だった。言い様もない猛烈な興奮に包まれていた。 
 
 洗い場の棚に置いてあったオフクロのフェイスブラシ。それもオレにとっては重要なアイテムになっていた。柄の長さは約12センチ。先端にある円形のミニステージからは、長さ2センチほどの白い毛がビッシリと生えていた。最初の頃は、その白い毛で尻の穴とその周辺を何となく擦っていた。ところがある日、そのフェイスブラシの頭部が勢い余ってスボッと尻の穴の中に入ってしまい、それがとてつもなく気持ちがいいことに気がついた。ところが、そんな行為を繰り返してるうちに、あろうことか、フェイスブランが尻の穴から抜けなくなってしまったのである。で、そんな時に家に帰ってきたのは、やっぱり弟のセージで、小学4年になった奴に「気がついたら、こんなモノがお兄ちゃんのお尻にね……。と、とにかく抜いてくれないか」と真っ赤な顔になりながらもそう伝えた。大笑いするセージ。が、全く余裕が無くなっていたオレは、奴に向かってオフクロのフェイスブラシが刺さった尻を高く突き上げた。セージはそれをまるで知恵の輪でも解いているかのようにコチョコチョ動かし、オレはその度に「痛てっ……痛ててっ……痛ててててっ!!」と大声を張り上げていた。そして、3分ぐらいしてからズボッ!とフェイスブラシが抜けた。その瞬間、オレは斬新かつ、爆発的な快感に「ふんぎゅうううう~~っ」という唸り声を上げ、そのド級の快感の持って行き場に困り、反射的にセージに抱きつきそうになったが、間一髪で思いとどまった。
 更に、その4~5日後。ウチの風呂にシャワーが付いたのである。で、誰も家の中にいない昼間、早速そのシャワーを浴びていたのだが、その時にある考えが浮かんだオレは、そのままシャワーを出したまま洗い場の床に仰向けに寝転んだ。オレの顔に容赦なくかかってくるシャワーのお湯。そして、オレはそんな状態の中でオナニーを始め、数分後にフィニッシュ。そして、上体だけ起き上がったオレは己の手に付着した精液をまじまじと見ると、『太陽にほえろ』でGパン刑事を演じていた松田優作の真似をして「なんじゃあああっ、こりゃあああああ~~~っ!!」と叫んだのである。そのセリフを吐いた後、オレはGパン刑事の真似が上手く出来たことで、自分でも意外に思うほどの満足感に浸っていた。と、次の瞬間……、
「お兄ちゃん、どうしたのっ!?」 
 そんな叫び声と共に風呂場の戸を開けてくる2つ歳下の妹。 
「い、いや………」
 なんて返していいかわからなかった。が、ここでそんな白旗を振っている場合じゃなかったので、無理矢理頭をフル回転させて、 
「いや、今、この排水溝からイッ······イタチみたいな動物が出てきてさぁ!」
「嫌だっ、どこに行ったの、その動物!?」 
「いや……あ、排水溝の中に戻っちゃったよっ、う……うん!」 
 つーことで、妹にはギリギリのところでオレの変態性を隠せたのである。 

 そして、中3になったばかりの4月。冒頭でも軽く触れたが、あのドイツ鯉の思い出事件が起こったのだ。そのコラムを未読の者のために、オレが何をやったのかを簡単に説明しておこう。 
その日曜日、オレは親父と妹と3人で「鯉つかみ取り大会」なるものに参加することになった。オレんちの近くには市営プールがあって、シーズン前の4月にプールの水を深さが10センチぐらいになるまで抜く。そして、そこに体長が10~15センチぐらいの子供の鯉を大量に放し、それを市民に手づかみで取らせるという大会があったのである。 
 結局、オレたち3人は合計で20匹ほどの鯉をゲットし、それを自宅の玄関脇の棚の上にあった水槽に入れた。すると、その中の一匹を指さして「ほう、珍しい。こいつはドイツ鯉じゃよ!」と興奮するウチのバアさん。ドイツ鯉……。オレは、生まれて初めて耳にするその響きに酔いしれ、しばらくの間、その全身がクリーム色と淡い銀色に覆われ、脳天の部分に直径2センチほどの黒い斑点が入っていた鯉に見入っていた。
 翌日、学校をサボったオレは、性懲りもなく全裸でテレビを観ていた。画面に流れていたのは、『決定! ミセス日本』というワイドショーの中のミニ特番で、2番の札を腰に付けた、髪をベリーショートにした1人のミセスを目にした途端、電流のようなモノが全身を走り抜けた。なんとかしたい……。気がつくと、オレは玄関脇にある水槽の前に立っていた。そう、例のドイツ鯉を目で追えば追うほど、それが2番の札を付けた人妻とダブッてきたのである。彼女を自分のモノにしたい。でも、一体どうすれば……。 
 オレは、ドイツ鯉を水槽から網ですくうと、それを右手で包むように持って和式便器になった自分ちのトイレにしゃがんでいた。そして、そのドイツ鯉を頭から自分の尻の穴に押し込んだ。 

ビチビチビチビチ!! 

 尻の穴から出た尾っぽをあらん限りの力で左右に振り、パニック状態になっているドイツ鯉。そして数秒後、未知なる満足感が尻から上昇してきて、それは胸のあたりで征服感に変換され、ゆっくりと頭の先からトイレの天井へと抜けていった。 
 我に返ったオレは、ドイツ鯉を尻の穴から抜き取り、急いで水道で洗ってから水槽に戻した。数分後、オレは死体になったドイツ鯉を右手で持ちながら、再び便器の前に立っていた。いつの間にかポロポロと涙がこぼれていた。ドイツ鯉が死んだのが悲しいのではなかった。自分が怖かったのだ。 
 オレは、次に何を尻の穴に入れれば気が済むのだろうか。アメリカの連続殺人鬼たちも導入部はこんな感じではなかったのか。このまま中学に行かなくなり、挙げ句の果ては、例のズベ公たちの顔を尻の穴に入れてしまうのではないか……。オレは、涙を震える手の甲でぬぐい、そしてドイツ鯉を便器の中に流した。 

 はい。つーことで、以上がドイツ鯉の思い出事件なんスけどね。あ、忘れないうちに言っとこう。この「ドイツ鯉の思い出」というコラムを読んだ者の中には、「ゲッツは絶対ウソをついてるよ。だって、体長が30センチ以上ある鯉が尻の穴に入るわけねえじゃん。仮に入ったとしても、そしたら尻の穴が破けちゃうっつーの」なんて言う奴もいたが、おメーらはちゃんとオレの文章を読んでんのか?
オリジナルの原稿にも、ちゃんと“体長が10~15センチぐらいの鯉”って書いてあんだろうが。つまり、立川市は子供の鯉を大量にプールに放したんだよっ。騒ぐ前にちゃんと読め!
 はい、話を戻そう。つーことで、オレの中学2年の春から中学3年の春までの正味1年の間にこれだけのことがあったのである。いや、物事を知らないってことが、ここまで人を狂気に走らせてしまうってことの典型的な例だよな。ちなみに、オリジナルにも書いたが、このドイツ鯉事件の数ヵ月後に、オレは同じクラスの学校の番長と授業中にチョーパン合戦を演じて、その番長を病院送りにしてしまったのだ。そして、それがキッカケとなって急に不良になったオレは、校内のズベ公たちにモテまくるようになった。そして、彼女らと次々とセックスをしているうちに、オレの変態性は見事に影を潜めてしまったのである。

 
いや、今考えてもホントに濃い1年だったわ……。

 

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著者略歴

  1. 板谷宏一

    1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は「板谷バカ三代」「ワルボロ」「妄想シャーマンタンク」など多数。2006年に脳出血を患うも、その後、奇跡的に復帰。現在の趣味は、飼い犬を時々泣きながら怒ることと、女の鼻の穴を舐め ること。近親者には「あの脳出血の時に死ねばよかったのに」とよく言われます。

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