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ゲッツ板谷のスケルトン忠臣蔵

何年ぶりかの夢週間

 いやいや、最近というもの、夢をみるなんてことが殆ど無くなっててね。
 てか、実際は時々は見てるんだろうけど、朝になるとすっかり忘れちゃってんだろうな。ところが、先月の2月の後半に久々に1週間立て続けに朝までに見た夢を割とハッキリ覚えてる夢週間が訪れてね。つーことで、それがあまりにも下らなかったんで、寝床の近くに置いといたメモを頼りに今回はそれを紹介していきます。

<2月22日(月)>
 多摩川にいる鮒になっているオレ。いきなり目の前にハンバーグのような固まりが落ちてきたんで食らいつくと、次の瞬間、もう20年以上前に死んだはずの近所のそば屋『高尾亭』の出前係のオッちゃんに釣り上げられ、「何だ、この鮒!? どうしたらこんなに太れるんだぁ~?」と言われる。もちろん、ハンパなく悔しかったが、それ以上に口元に食い込んだ釣り針が痛くてどうしようもなく、(おいっ、魚は殆ど痛点が無く、釣られても殆ど痛みを感じないなんて百科事典に書いてあったけど、あんなの見事な嘘っぱちじゃんきゃよおおおおおっ!!)と心の中で叫ぶオレ。が、無常にもその後、オレは近くの国道20号線の道路に叩き付けられてカラカラに。最後に頭に浮かんだ言葉は『包茎相続』。

<2月23日(火・祝)>
 「鬼滅の刃」の巨大プロジェクトを指揮してるという男に変なローションを売りつけられる。1000円札を1枚渡すと「消費税として、あと2000円頂きます」と。で、怒ったオレが「誰がそんなムチャクチャなことを決めたんだ!?」と怒鳴ると、相手の男が「そりゃ総理大臣でしょうな」と言ったので「安倍の野郎かあああっ!!」と唸るオレ。すると相手の男は「そりゃ前の総理でしょ! 現在の総理大臣は?」と訊いてきたので、オレは冷静になって考えた結果「関口宏かあああっ!!」という答えを発射。途端、座ってたイスが、タイムショックで3問以下しか答えられなかった解答者が食らうようなメチャクチャな動きを開始し、オレは悲鳴を上げながらも(5時限目の授業は歴史か……)と心の中で確認。

<2月24日(水)>
 八王子にある大好きな「ふたばや」のうどんを食ってるオレ。隣から「フガァ、フガァ」とうるさい鼻息が聞こえるので振り向いてみると、昔、欽ちゃん劇団に在籍していたコニタンがうどんを夢中で啜っている光景が。「こ、この20年ぐらい何してたの!?」と尋ねると、散々モジモジしながらも「実は、いきものがかりの影武者をやってました」との答え。オレは何故か突然怒り出し、「うそつき、うそつき、うそつき!!」と叫びながら張り手でコニタンを店外まで弾き出し、そして、15年止めていたタバコに火をつける。

<2月25日(木)>
 小森のおばちゃま、津川雅彦、竹内結子らの鬼籍に入ったメンバーと座談会。津川と竹内が「まぁ、まだ生きている人達からは時々、(ああ、昔はいい俳優や女優がいたなぁ~)って思い出してもらえばいいよねぇ~」とか言っていると、いきなり小森のおばちゃまが立ち上がって「甘メーよ、お前ら。世間の奴らなんか、3日もすりゃあアンタらのことなんて忘れ去るっつーの!」と。「そんな、酷い!!」と泣く竹内結子。ふと、背中の方から熱い視線を感じ、振り向いてみると柱の影から轟二郎が皆の様子を静かに伺っていた。

<2月26日(金)>
 「サッポロ一番塩ラーメン」を食べていると突然、丼の中に上からオレンジジュースが……。犯人は「門脇」という男だと言われ、オレはムカムカしながらも、そのオレンジ塩ラーメンを完食。

<2月27日(土)>
 久しぶりに長編小説「長男でございみすっ!」を出版するオレ。サイン会の先頭から4番目に並んでいた男に「サインはゲッツ板谷ではなく、長谷部吉太郎でお願いします」と言われ、もの凄く不愉快な気分になりながらも長谷部吉太郎と書くと、郎の字が朗だと言われ、もう面倒臭くなったオレは「どうでもいいからアッチ行けっ!!」という言葉を発射。すると「はい、そのお言葉、頂きましたぁ~」と言いながら、なぜか近くで大判焼きを焼いていた「さいたまんぞう」がオレの口元近くの空気を長箸でパチリと挟み、それを大判焼きの中に。(何だ、コイツら……)と思っていると、急に左脇腹にさしこみが走り、そちらの方を見ると『天誅でございみすっ!』と書かれたハチマキをした男が短刀でオレの腹をグリグリやっており、笑い声がしたので顔を上げると、オレの弟に少しだけ似た男が下をペロッと出しながら高速でルービックキューブを完成。翌日、オレは4泊5日の台湾旅行に出発する。

<2月28日(日)>
 埼玉西武ライオンズのレギュラーメンバーと西武ドームで練習をしてるオレ。何故か1塁を守っている松坂大輔が全長1メートルぐらいある長いグローブを使っていたので、「それって凄い高い球も取れてイイよね」と言うと、ガガガガッと音を出しながら松坂の口から『辻監督にも同じこと言われたよ』と書かれた紙が出てきてビックリ。そして、背中をぽんと叩かれたので振り向くと、潮崎2軍監督が立っていて「みんな、知らない奴はイロイロ勝手なことを言うけど、松坂は偉いよなぁ……」と言って目が真っ赤。オレは「そうっスね」と答えながらも、その目の赤さに(こりゃ、もう4年ぐらいは気持ち悪くてスイカを食べられないや……)と思った。

 

つーことで、以上が今回の内容でした。ハンパなく下らなかったでしょ。もう56だよ、オレ……。

 

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著者略歴

  1. 板谷宏一

    1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は「板谷バカ三代」「ワルボロ」「妄想シャーマンタンク」など多数。2006年に脳出血を患うも、その後、奇跡的に復帰。現在の趣味は、飼い犬を時々泣きながら怒ることと、女の鼻の穴を舐め ること。近親者には「あの脳出血の時に死ねばよかったのに」とよく言われます。

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