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ゲッツ板谷のスケルトン忠臣蔵

今までもらった嬉しかったプレゼント BEST3

  はい、今回は今まで人から貰ったプレゼントで、特に嬉しかったモノを紹介していきます。

第3位『ヤリマン女のまさにヤリ尽くしナイト』
 高校3年の時のオレの7月4日の誕生日。その晩、オレは当時付き合っていた2つ年上の真美(仮名)の「その日の晩は何も予定を入れないで」と約束させられていた。
 真美は府中の都立高校を卒業後、都内の商事会社に勤務するOLをやっていたが、とにかく高校生の頃はメチャメチャにヤリマンだったらしく、彼女が高3の時に高1のオレがナンパして付き合いが始まった。と言っても、そのナンパしてからズーッと付き合ってたわけではなく、3回ほど会ってからトンと会うことは無くなっていたのだが、オレが高3の時に吉祥寺で飲んでいたら偶然隣のテーブルに真美がいて、再び付き合いが始まったのである。
 で、その7月4日の当日、高校帰りに待ち合わせの日比谷駅に行くと、ドレスアップした真美が待っていて、オレは「お前、何のつもりだよ?」と大笑い。が、彼女はオレの手を引いてズンズン歩き始め、数分後には帝国ホテルのロビーへ。オレがポカ~ンとしていると、すぐにフロントでキーを受け取って、確か4階にある一室へ。で、「何なんだよ、今日は?」と訊くと「何言ってんのよ、今日はコーちゃんの誕生日じゃない」という言葉が返ってきて、更に数分後、いきなり鳴る部屋のチャイム。部屋のドアを開けてみると、台車の上にケーキと花束を乗せたボーイが立っていて「板谷様、お誕生日おめでとうございます」と。
 そして、そのボーイが去った次の瞬間、いきなりケーキを鷲掴みにした真美はそれを己の口に入れ、2~3回噛んだと思うと、次の瞬間にはそのケーキが入った口でキスをしてきて、それからはありとあらゆるHな事を朝まで続けた。オレと真美は、オレが高校を卒業する頃には会わなくなっていたが、とにかくあの晩のボキは少し古いけど狂ったミッキー・ロークになってました(笑)

第2位『出たあああっ!! M・ジョーダンのリフレクター』
 今から28年前、オレはアメリカのプロバスケNBAドハマりしていた。で、BS放送でその試合を観戦するだけでは物足らず、アメリカのニューヨークやフェニックスまで実際の試合を見に行ったりもしていたのだ。そして、次にハマったのが、そのNBAのスポーツカード。とにかくM・ジョーダンとA・モーニングという選手の当たりカードが欲しくて、都内の各所にオープンしたカード屋で次々とバカみたくカードを買いまくった。
 で、そのうち、そのバスケカードの中でも最高級のブランド『トップス ファイネスト』というカードシリーズが登場。しかも、このシリーズには当たりカードと呼ばれるプレミアカードは1種しかなく、それが4枚が1袋に詰められているパックが24袋入っている1BOXの中に1枚しか入ってないというのである。その当たりカードの名前は「リフレクター」。
 ちなみに、そのリフレクターはレギュラーカードにピカピカ光る細工がしてあるもので、つまり、リフレクターは全選手の分があるのだ。要は、この『トップス ファイネスト』には確か120枚ぐらいのレギュラーカードがあり、その中でたとえ当たりカードのリフレクターが出ても、それがM・ジョーダンのバージョンである確率は120分の1なのだ。つまり、『トップス ファイネスト』を1パック買い、それにリフレクターが入っている確率は24分の1。その上、それがNBAのスーパースター、M・ジョーダンバージョンだという確率は24掛ける120の2880分の1という、まさに気が遠くなりそうな確率なのである。
 当然、そのM・ジョーダンのリフレクターカードにはハンパないプレミアが付き、オレが覚えてる範囲でも、その1枚の値段は確か23万円ぐらいにハネ上がってたと思う。また、当然『トップス ファイネスト』のパックの値段もハネ上がり、1パック2000円から始まり、最終的には、それが24パック入ったBOXが6万円にまでなってしまったのだ。
 ところが、その当時、オレは伊藤くん(仮名)という中学2年のスーパードラ息子と高田馬場にあるスポーツカード屋で友達になり、ナント、自分の半分ぐらいの年齢の彼に『トップス ファイネスト』1BOXを買ってもらったのである。で、その興奮が治まらないまま、自宅に帰って、そのパックを次々と開けたところ、ナント!M・ジョーダンのリフレクターが出てきたのだ!!
 もちろん、オレはそのことを伊藤くんには内緒にしといて、そのM・ジョーダンのリフレクターを毎晩のように眺めていたが、そのうち飽きてきて、カード屋に売り値を尋ねたらなんと、11万円にまで値が下がっていた。さらに1年半ぐらいボヤッとしてたら、その価値は7万円にまで下がり、オレは現在もそのカードは持ってるが、今は高く買い取ってもらっても、たかだか1万円ぐらいだと思う。
 が、今から28年前。とにかくM・ジョーダンのリフレクターを当てた時は、正に宝クジで1等が当たったような衝撃だったのだ。

第1位『竹ちゃんの超絶裏道』
 2年半前の年末。オレが頻繁に通っている、埼玉県は富士見市にある串カツ屋「まるや商店」店主の塚ポンと、その店の常連客である竹ちゃんが塚ポンの車に乗ってオレの家がある東京都下の立川市に来た。そう、ウチでの忘年会に出席するためである。で、その時に助手席に乗ってた竹ちゃんが運転している塚ポンに道をナビしたら、混んでる時は2時間近くかかるのに1時間も掛からずにウチに着いたとのこと。
「え、竹ちゃんて今、埼玉県富士見市に住んでるのに何で立川までの道にそんなに詳しいの?」
 そう訊いてみると、竹ちゃんは数年前まで富士見市から立川駅近くの会社まで25年間も車で通勤していて、その道がいつも混んでイライラするので、少しずつイロイロな道を通って、そして、その完全なる裏道を把握したという。で、オレはその時に「今度、よかったらその道を教えてよ。オレも塚ポンの店に行く時に、その道を使いたいからさ」と竹ちゃんに言ったら、その後、彼は地図を何枚もコピーしてくれ、そこに赤いペンで裏道を示しておいてくれたのである。
 が、その道はさすがに25年間もかかって開発しただけあって、かなり複雑で、オレは完全に覚えるまで計4回もその道を往復することになった。さらに竹ちゃんはオレと同じく埼玉西武ライオンズファンで、その球場から塚ポンの串カツ屋に行く裏道まで教えてくれ、現在のオレは、その区域のタクシーの運ちゃんより裏道に詳しくなってるという次第である。
 深夜になるまでは、いつもダラダラ混んでいる青梅街道・府中街道・浦所バイパス。その3つの道路を嘲笑うかのように、近くを舐めるように通り抜ける竹ちゃんの超絶裏道。いま、何が1番嬉しいプレゼントかと聞かれれば、こういう地味なんだけど凄く便利な裏道と答えます。ありがとう、竹ちゃん(笑)

 

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著者略歴

  1. 板谷宏一

    1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は「板谷バカ三代」「ワルボロ」「妄想シャーマンタンク」など多数。2006年に脳出血を患うも、その後、奇跡的に復帰。現在の趣味は、飼い犬を時々泣きながら怒ることと、女の鼻の穴を舐め ること。近親者には「あの脳出血の時に死ねばよかったのに」とよく言われます。

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