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ゲッツ板谷のスケルトン忠臣蔵

移っちゃった ネムネム

 友だちにハッチャキという福岡出身の男がいて、コイツはもう5年前に東京に出てきたのだが、日曜日など奴と遊んでいると本当に驚くというか、呆れてしまうのである。とにかくメタメタ寝るのだ。そう、オレと会ってる時間の約6割は居眠りをコイているのである。
 が、ここで勘違いしちゃいけないのは、奴は1日に10時間ぐらい寝てるわけじゃないのだ。自分のマンションに帰ると当然、奴は夜の10時くらいには眠たくなるものの、そこは風呂に入ったりして何とか寝ずに、でも、12時頃にはトップリと寝てしまう。
 ところが、である。コイツは僅か3時間後の、夜中の3時頃には起きてしまうのだ。そのくらいの時間しか連続して寝れないというのである。で、それ以後の時間はモヤモヤした顔をしながら、少しでも生活や仕事に余裕が出来るとウトウトと居眠りをして過ごしているのだ。

 で、オレはそういうハッチャキを見て非常にイライラしていたのだが、そのうちこのオレにも考えられないような変化が訪れるようになってきたのだ。夜の10時半ぐらいになると、オレは眠たくてどうしようもなくなり、そのままベッドに飛び込んで寝ると夜中の2時頃に目が覚め、そして、そのまま眠れなくなるのである。
 いや、何度も二度寝をしようとしたものの、とにかく全く眠れないので、オレはそのまま真夜中に台所の食器を洗ったり、洗濯をしたり、ゴミを出しに行ったり、体重や体脂肪率を計ってツイッターに書き込んだりしてると、ようやく朝の5時半頃になる。で、数人の奴らとネットでツイートなんかをしていて、7時半頃になると腹が減ってくる。そんで、朝メシを食べて少しすると、そこでようやく睡魔が訪れてくるのだ。
 ところが、15~20分間もするとバチッと目が覚め、そのまま昼過ぎまで原稿を書いたりするのだが、また1時半頃になると急に眠たくなり、そこで再び約20分前後の昼寝をするのである。

 そう、要するにオレは1日に合計で4時間半~5時間しか眠れなくなってしまったのだ。で、それは何故かと考えたら、自分の先祖のことを思い返したらようやくわかったのだが、年を取ると3~4時間は連続して寝れるのだが、それ以上は寝る体力がないので寝れないのである。でも、基本的には寝不足なので、昼間とかに寝れる僅かな時間を見つけて居眠りをするのである。
 にしてもだっ。とにかく、ここんところのハッチャキのネムネムぶりはやっぱり異常なので先日、オレの車の助手席でいつものように居眠りをしていたッチャキを叩き起こして、「お前、そうやってオレと会うたびに居眠りをして、それってオレに対して失礼だと思わねえのかあああっ!! ええっ!?」って怒鳴ってやったところ、「ああ、ゴメンなさい」と言いながら、また3分も経たないうちにコクコクと居眠りをしてました。

 さらに先日、ハッチャキと山梨県まで白ワインを買いに行こうとして、ウチの庭で車のエンジンをかけたら、そのままオレとハッチャキは同時に居眠りをしてしまい、パッと起きて出発して、そのまま中央高速に乗ったら、途中のサービスエリアの駐車場で再び2人して居眠りをしてたので、そのままUターンして家に帰ってきました。
 最後に、ハッチャキのツイッターの自己紹介文にあった一言を書いておきます。
『寝ちゃいけない時に眠くなり、寝なきゃいけない時に眠れません。助けてください』


 オレも最近、ホントに助けて欲しいよ……。

 

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著者略歴

  1. 板谷宏一

    1964年東京生まれ。10代の頃は暴走族やヤクザの予備軍として大忙し。その後、紆余曲折を経てフリーライターに。著書は「板谷バカ三代」「ワルボロ」「妄想シャーマンタンク」など多数。2006年に脳出血を患うも、その後、奇跡的に復帰。現在の趣味は、飼い犬を時々泣きながら怒ることと、女の鼻の穴を舐め ること。近親者には「あの脳出血の時に死ねばよかったのに」とよく言われます。

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